ひなまつりの時期、子どもからの質問が急に増えませんか?
「これ、だれ?」「なんで桃の花?」「右大臣ってどっち?」──その場で即答できると、行事の時間が一気に締まります。
この記事は“園でそのまま使える”ように、
①一言で答える/②子ども向けの言い方/③先生向けメモ(補足)をセットにしました。
対象の目安:3歳児〜小学生(園の実態に合わせて難易度を調整してください)
最初にこれだけ(超ショート結論)
- ひなまつりは「元気に大きくなれますように」と願う日。
- 雛人形は、もともと厄(いやなこと)を引き受ける“身代わり”の考えがルーツ。
- 並び方や呼び名は地域差・園の雛壇の作りで違うことがある(園の飾りに合わせて説明すればOK)。
ひなまつり完全攻略:保育士が暗記しておくべきウンチク21選
A. 由来・意味(ウンチク01〜06)
ウンチク01:ひなまつりは何のための日?
- 一言で答える:「みんなが元気で幸せに大きくなるように願う日だよ」
- 子ども向け:「ケガしないで、ニコニコで過ごせますようにってお願いする日」
- 先生メモ:“女の子の日”だけに寄せすぎず、クラス全体の健康・成長の行事として扱うと運用が安定します。
ウンチク02:なんで3月3日なの?
- 一言で答える:「昔から“季節の変わり目に元気をお願いする日”だったからだよ」
- 子ども向け:「春が来る前に、みんなの元気をチャージする日だよ」
- 先生メモ:古代の行事(上巳の節句)と、日本の厄払いの考えが結びついた説明にすると筋が通ります。
ウンチク03:ひなまつりは昔から“飾る行事”だった?
- 一言で答える:「昔は“流しておはらいする人形”がはじまりと言われているよ」
- 子ども向け:「いやなことを人形にお願いして、バイバイするイメージだよ」
- 先生メモ:“流し雛(ながしびな)”→“形代(かたしろ)”→雛遊びの要素が合流、という説明が安全です。
ウンチク04:そもそも、なんで人形を出すの?
- 一言で答える:「みんなの厄を引き受けてくれる“お守り”みたいな存在だからだよ」
- 子ども向け:「かわりに守ってくれる“ガード役”だよ」
- 先生メモ:“身代わり”という言葉が強ければ、「お守り」「守ってくれる」に言い換えると現場向きです。
ウンチク05:桃の花がよく出てくるのはなぜ?
- 一言で答える:「桃は昔から“元気を守る花”って考えられてきたからだよ」
- 子ども向け:「わるいものを追い払ってくれる、つよいお花なんだよ」
- 先生メモ:“魔除け”を使うかは園の方針次第。柔らかく言うなら「守ってくれる」「元気の花」がおすすめ。
ウンチク06:ひな人形って、いつ片付けるのが正解?
- 一言で答える:「3月3日が終わったら、天気のいい日に片付けるお家が多いよ」
- 子ども向け:「お人形も休むから、きれいにしておしまいするんだよ」
- 先生メモ:“片付けが遅いと婚期が…”は言い伝え。現場では「湿気で傷むから早めに」が最もトラブルが少ない説明です。地域によって旧暦で4月頃まで飾る所もあります。
B. 雛壇の見方(ウンチク07〜14)
ウンチク07:一番上の2人は何をしているところ?
- 一言で答える:「天皇・皇后をイメージした“お祝いの場”を表しているよ」
- 子ども向け:「いちばん大事なおふたりが、にこってしているところだよ」
- 先生メモ:“結婚式を模す”説明が広く普及しています。園児には「お祝いの場」まで丸めると扱いやすいです。
ウンチク08:「お内裏様とお雛様」って呼び方は正しい?
- 一言で答える:「ふだんの呼び方でOK。でも本来“内裏”は2人まとめての言い方なんだ」
- 子ども向け:「園では“おだいりさま・おひなさま”でいいよ。先生はもっとくわしいってだけ」
- 先生メモ:細かい正誤で子どもを混乱させないのが最優先。“先生の豆知識”として温存がベストです。
ウンチク09:正式には何て呼ぶのが無難?
- 一言で答える:「男雛(おびな)・女雛(めびな)がいちばん安全」
- 子ども向け:「おとのさま・おひめさま、って言っても伝わるよ」
- 先生メモ:“内裏雛(だいりびな)”は上段2体セットを指す用語として便利です(資料作りにも強い)。
ウンチク10:男雛と女雛、左右が逆の雛壇を見たことがある…なぜ?
- 一言で答える:「地域や流派で“上の席(上位)”の考え方が違うからだよ」
- 子ども向け:「お家や場所で“ならべ方のルール”がちがうことがあるんだよ」
- 先生メモ:関西は古い宮中の作法(左上位)に沿う並びが多く、関東は近代以降の並びが広がった、という説明が整理しやすいです。園にある並びを“正解”として教えるのが実務的。
ウンチク11:左右にある木(花)はなに?
- 一言で答える:「“左近の桜・右近の橘”を表すことが多いよ」
- 子ども向け:「おにわにある、おはな(木)だよ。春っぽいね」
- 先生メモ:左右は“内裏雛側から見た左右”で語られることが多いので、園児には「桜と橘」までで止めても十分です。
ウンチク12:三人官女(3人の女性)は何をしている人?
- 一言で答える:「お祝いの席のお手伝い(お世話係)だよ」
- 子ども向け:「パーティーのおてつだいをしてくれる人だよ」
- 先生メモ:表情・持ち物が違うセットがあります。道具(お酒を注ぐ道具など)まで踏み込むのは年長〜でOK。
ウンチク13:五人囃子(5人の楽隊)は何をしている?
- 一言で答える:「音楽でお祝いを盛り上げているんだよ」
- 子ども向け:「ひなまつりの“BGM係”だよ」
- 先生メモ:楽器の種類や並びは地域差があります。園の雛壇にある楽器を“観察クイズ”にすると盛り上がります。
ウンチク14:武器を持った2人(右大臣・左大臣)は誰?
- 一言で答える:「警護役(守る係)の“随身(ずいしん)”だよ」
- 子ども向け:「おとのさまたちを守るガードマンだよ」
- 先生メモ:雛段での左右は“内裏雛から見た左右”。見ている側からは逆になるので混乱しがち。年配のほうが格上(左大臣が上位)という説明が鉄板です。
C. もっと見抜ける:下段&道具(ウンチク15〜18)
ウンチク15:下のほうの三人組(泣く・怒る・笑う顔)はだれ?
- 一言で答える:「仕丁(しちょう)っていう、お世話係だよ」
- 子ども向け:「おてつだいチーム。3人とも気持ちの顔がちがうんだよ」
- 先生メモ:“泣き上戸・怒り上戸・笑い上戸”の呼び方が定番。観察して当てるだけで立派な活動になります。
ウンチク16:下の段の箱やタンスみたいな物はなに?
- 一言で答える:「暮らしの道具(お道具)だよ。昔の“生活セット”みたいなもの」
- 子ども向け:「おひめさまが使う、おどうぐばこだよ」
- 先生メモ:“嫁入り道具”の説明は時代感が出ます。現代の価値観に合わせるなら「暮らしの道具」「大事な道具」に置き換えるのが無難です。
ウンチク17:着物の色が違うのはなぜ?
- 一言で答える:「えらさ(身分)や役割がわかるように工夫されているんだよ」
- 子ども向け:「チームカラーみたいに、役の目印なんだよ」
- 先生メモ:専門用語(冠位十二階など)に踏み込みすぎないのが吉。年長以上なら“上の人ほど特別な色”までで十分です。
ウンチク18:雛壇って全部で何人いるの?
- 一言で答える:「七段飾りだと“15人そろい”が有名だよ」
- 子ども向け:「いっぱい!数えてみよう!」
- 先生メモ:(例)内裏雛2+三人官女3+五人囃子5+随身2+仕丁3=15。園の飾りが何段かで変わるので“数え遊び”にすると強いです。
D. 食べ物・小ネタ(ウンチク19〜21)
ウンチク19:菱餅の3色って意味があるの?
- 一言で答える:「色に“元気でいてね”の願いが入っていると言われているよ」
- 子ども向け:「3色は“おまもりカラー”みたいなものだよ」
- 先生メモ:解釈は複数あります。園では“春っぽいね”“元気の色だね”に寄せると説明の衝突が起きにくいです。
ウンチク20:白酒(しろざけ)って、子どもが飲むの?
- 一言で答える:「昔の行事の飲み物だけど、子どもは飲まないよ(園では甘酒など)」
- 子ども向け:「大人の飲み物。子どもはジュースや甘酒だよ」
- 先生メモ:“白酒=アルコール”に触れると保護者対応が安定します。行事食紹介に使うなら“甘酒(ノンアル)”で統一が安全。
ウンチク21:あの有名な「ひなまつりの歌」、先生が知っておくと強いこと
- 一言で答える:「歌は歌。呼び名や左右は“豆知識”として知っておくと質問に強い」
- 子ども向け:「歌は楽しく歌ってOK。先生は“くわしいモード”もできるよ」
- 先生メモ:歌に出てくる呼び名・左右は、厳密にはズレがあると紹介されることがあります。現場では“歌は文化として楽しむ/質問が来たら園の雛壇で確認して答える”が一番きれいに着地します。
園でそのまま使える:ひなまつりクイズ(難易度別)
3歳〜:観察クイズ(かんたん)
- Q:桃の花はどこにある?(指さし)
- Q:いちばん上の人形は何人?
- Q:楽器を持ってるのは何人?
- Q:怒ってる顔の人はどこ?
- Q:一番小さい道具、見つけられる?
4〜5歳:理由クイズ(ちょいムズ)
- Q:ひなまつりは、何をお願いする日?
- Q:ガードマン役(守る人)はどこにいる?
- Q:音楽隊は、何のためにいる?
- Q:お人形を大事にするのはなぜ?
- Q:片付けは、どうして天気のいい日がいい?
小学生〜:先生の“ひとこと解説”つき
- Q:「内裏雛」って何を指す?(上段2体セット)
- Q:並び方が違う雛壇があるのはなぜ?(地域・作法の違い)
- Q:昔の「流し雛」って何?(厄払いの風習)
- Q:随身(ずいしん)って何の役割?(警護)
- Q:仕丁(しちょう)の表情が違うのはなぜだと思う?(観察→自由回答)
終わりに
ひなまつりは“季節の行事”ですが、この記事は来年も再来年も使えるように、流行や当年ネタに寄せずに作り直しました。
当日は、全部を完璧に話さなくて大丈夫です。
雛壇の前で「見て当てる→理由を一言→ほめる」だけで、行事はきれいに回ります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
↓ひなまつりは女の子のイベントって感じですよね…
我が家は新しい家族を含め、めでたく男所帯となりました♪






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