「自分も頑張っているのに、どうしてあの先生ばかり評価されるんだろう」
園で働いていると、そんな気持ちになる瞬間があります。
そして決まって聞こえてくるのが、
「〇〇先生って良いよね」
「〇〇先生はちょっと……」
という言葉。
でも、ここで一つだけ先に結論を言います。
「良い先生/悪い先生」は、能力の通知表ではありません。
多くの場合、それは“相手の期待が満たされたか”という感想です。
つまり、同じ先生でも、見る人が違えば評価は真逆になりえます。
この記事では、「良い/悪い」の正体を4つの視点で分解します。
保育現場で比べられてしんどい人が、必要以上に傷つかず、自分の軸を取り戻すための整理として使ってください。
分析① 評価は「相手の期待」で決まる(良い/悪いは人それぞれ)
「良い先生」のイメージは、
子どもに人気、遊びが上手、コミュ力が高い……などが挙がりやすいですよね。
ただ、現実はもっとシンプルで残酷です。
相手の価値観(期待)に合ったかどうかで、良い/悪いはあっさり決まります。
例:登園時に元気よく挨拶する保育士S
同じ行動でも、受け取り方は分かれます。
保護者A:明るくハキハキした人が好き → 「感じが良い!良い先生!」
保護者B:人づきあいが苦手・朝は急いでいる → 「今は静かにしてほしい…(苦手)」
例:木登りを見守る保育士E
保護者C:多少のケガより挑戦を大事にしてほしい → 「思いきり遊ばせてくれる良い先生」
保護者D:危険はゼロが理想 → 「危ないことをさせるなんて…悪い先生」
「そんな些細なことで?」と思うかもしれません。
でも、保護者にとってはその一場面が“判断材料の大部分”になることもあるんです。
分析② 人は「事情を知らないまま」評価する(情報の非対称)
次は、職場の同僚・上司側の視点です。
園の中でも、全員が同じ情報を持っているわけではありません。
結果として、見えている範囲だけで評価が確定します。
例:保護者に人気のSが、裏で後輩にきつく当たっていた
保護者:表面しか見えない → 「良い先生」
後輩:日常的に被害を受ける → 「悪い先生」
評価が割れるのは、ある意味当然です。
例:Eの見守りが「配慮不足の放任」だった場合
子どもの発達・持病・その日の体調、環境リスク(虫・死角・人数)など、保育は「背景込み」で成立します。
もし背景の確認が甘く、結果としてヒヤリハットや事故につながったなら、
上司・同僚:安全配慮や判断が未熟 → 「困る先生」
一方で、外から見れば「よく遊ばせてくれる先生」に見えてしまい、
保護者:事故の前は気づかない → 「良い先生」
というズレが起きます。
ここまで来ると「個人の良し悪し」だけでなく、園の配置・安全管理・情報共有の仕組みにも焦点が移ります。
分析③ 「同じ意見」は集まりやすい(評判は増幅する)
人は安心のために、周りと同じ意見を選びがちです。
その結果、園では“評判”が一人歩きします。
例:保護者に人気のC先生が退職する
退職の知らせが出ると、保護者間で一気に話が広がります。
「持ち上がりで担任してほしかった…」
「いつも楽しそうに関わってくれていたのに…」
そして、情報が少ないほど人は「理由」を作ります。
「きっと園長が追い込んだんだ」
真実がどうであれ、感情と推測は“物語”として結束しやすいんですね。
分析④ 「全員に好かれる先生」は存在しない(必ず反対派が出る)
ここが一番しんどい所なんだけど、現実として押さえておきたいです。
子ども・保護者・職員の三方から、完璧に好かれる先生はほぼいません。
人気者ほど、
- 期待が集中して叩かれやすい
- 嫉妬・比較の対象になりやすい
- 管理側から「扱いづらい」と見られることもある
だから、どこかで必ず「悪く言う人」は出ます。
じゃあ、どう受け止めればいい?(一喜一憂しないための整理)
「良い/悪い」は、かなり雑なラベルです。
もしその言葉で傷つきそうになったら、まずは次の順に整理してみてください。
- ①誰の評価?(子ども/保護者/同僚/上司)
- ②どの場面?(一瞬の切り抜き?継続的な事実?)
- ③事実?感想?(確認できる出来事?ただの印象?)
- ④自分の改善点?園の課題?(仕組みの問題では?)
この4つが分かれるだけで、心のダメージはかなり減ります。
「悪い先生だね」
と言う人もいます。ですが、その言葉が“信頼できる評価”とは限りません。
それでも職場が合わないなら、「環境を変える」は逃げじゃない
園・地域・保護者層・方針によって、価値基準は大きく変わります。
自分の努力ではどうにもならない“土台”が合っていないなら、環境を変えるのも立派な戦略です。
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まとめ:「良い先生」の基準は“誰にとって”かで変わる
「良い/悪い」は、切り抜いた場面の評価であることが多いです。
だからこそ、言われた時はこう捉えるのが賢明です。
「その人が、その場面で、そう感じただけ」
もちろん改善できる点があるなら伸ばせばいい。
でも、全部を自分の欠陥だと受け取る必要はありません。
「子どもにとっての良い先生」という軸は、たぶん世界共通です。
あなたの目指す保育ができる場所は、必ずあります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
良い先生も悪い先生も仕事中はこんなことを頑張っています👇
RPG風に楽しく(?)まとめてみました。






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