子育てで、つい感情的になってしまう。余裕がなくて厳しく言ったのをあとで後悔……でもまた怒ってしまう。
子育てをしていれば誰にでもあること。 家事・仕事・育児で毎日忙しければ、余裕がなくなるのは当然です。
では 「そもそも、どういう時なら怒っていいの?」 ──実はあります。“怒ってOK”な正しい2条件です。
【怒ってOKの2条件】
① 大きな不利益(誰かが傷つく・壊れる・迷惑を被る)がある時
② それが予測不可能(想定外)だった時
※ この2つを同時に満たした時だけ、短く強く止めてOK。
怒ってもいい条件はこの2つ
まず結論から。以下の2つを同時に満たした場合のみ、多少強く止めても大丈夫です。
- ① 大きな不利益(倫理的にNG/誰かが実害を受ける)
- ② 予測不可能(大人の想定を超えた出来事)
片方だけ満たすケースでは、怒るより「言い換え・環境調整・フォロー」の方が効果的です。
①「大きな不利益」を被った時
誰かが「イヤだった/損した/傷ついた」。この時に怒りが湧くのは自然です。ただしこの条件だけで怒るのはNG。次の②も同時に満たす時のみ、短く止めます。
- 物が壊れた・なくなった
- 相手を叩く・蹴る・言葉で傷つける
- 危険物を扱って事故になりかけた
②「予測できなかった」出来事か?
怒る前に一瞬だけ考えます。「これは予想できた?」
予想できたことに毎回怒っても、学びは増えません。
叱ったあと、あとで子どものことを考えながら「怒りすぎたか…?」「次は優しくしよう」と思う。
でも翌朝、また怒鳴ってしまう──父親だって人間。
理屈より先に心が動いてしまう瞬間はあります。
ですが「怒る条件」を変えないと、あなたは今後もずっとそのままです。
暑ければ汗をかき、物は下に落ちます。予測可能な現象に怒る必要はないのです。
「怒らない」を諦めないあなたの姿勢こそ、
すでに頼もしい父性の第一歩です。
子どもの行動は“予測できない=予測できる”
実は、あなたはもう気づいています。
- 走れば転ぶかも
- 物を持てば落とすかも
- 夢中になれば漏らすかも
これらは全て予測できているサイン。予測できることには、怒りではなく対策で応えるのが近道です。
【ケースで判断】キレてもいい?6つの場面
ケース1:食事中にこぼす
自分で食べたがる子。手伝おうとしたら嫌がり、その直後に牛乳のコップを落とした。
結論:予測の範囲。怒らず、テーブル配置やコップ位置を調整。
ケース2:手が出る
言葉で表現できず、繰り返し相手を叩いてしまう。(発達特性の診断あり/なしを含む)
結論:繰り返すなら想定内。怒るより支援(距離・言い換え・クールダウン)を優先。
ケース3:お漏らし
遊びに夢中。「今は出ない」と言った直後に盛大に失敗。
結論:予測可能。怒ると自立が遅れる。経験として整える。
ケース4:覚えた言葉を多用
昨夜のアニメで覚えた過激な言葉を連発。
結論:学習過程として自然。意味と使い方を繰り返し伝える。大人側の語彙環境を見直す。
ケース5:ぶつかってケガ
近距離で関わる中、急な動きでぶつかり相手が負傷。
結論:事故は起こり得る。尖った物の事前ルール・環境づくり・見守りで予防。
ケース6:何度言ってもできない
同じ注意を何度しても変化がない。
結論:子どもの記憶回路・発達段階に合っていないサイン。教え方を変える。
保育現場でも、子どもが同じことを繰り返すのは“失敗”ではなく“練習”です。
能力の低い保育士は「怒る必要のないことでいつも子どもを怒って、周囲に呆れられています」
イライラするのは当然だけれど、見守る練習もまた、父性の筋トレ。
叱るのではなく、「待つ」「見届ける」という力が、
親としての器をゆっくり広げていきます。
怒りを「学び」に変えるコツ
- 5秒だけ黙る(間をつくる)
- 短く止める→あとで理由(5秒ルール)
- 最後は一言フォロー「危なかったね。〇〇だったね(子どもの気持ちを代弁できればパーフェクト)」
叱ることは愛情の裏返し。
その一瞬の“怒り”をどう使うかで、親子の関係は深まります。
はじめから完璧である必要はありません。
今日も迷いながら進むあなたの姿こそ、
子どもにとっての生きたモデル。
父性とは、理想ではなく、日々の小さな選択の中に宿るのです。
まとめ|「予測できたか」で冷静な判断を
- 「大きな不利益」+「予測不可能」=怒ってOK
- ほとんどは予測できるから、怒りより対策を
- 叱ったあとは短いフォローで信頼を戻す





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