保育業界は女性社会。男はまだまだマイノリティー。
「これだから男は…」「男職員いるとやりづらい」など問題にされることもあります。
周りの知人友人男性でもドロップアウトしていく人は多いです^^;
「せっかくこの仕事についたけど、理解者いないし辞めたい」
「女性ばかりのアウェイで、周りに認められるか不安」
「頑張っているのに誤解される」
「保護者や同僚とうまくやっていけない」
悩みは尽きません。
そんなみなさんに、保育業界で16年生き抜いてきた心構えを紹介します。
男性保育士に課せられる10の試練
幼児の終わりまでに育ってほしい10の姿にちなんで、
男性保育士に育ってほしい10の姿と名付けました。
なお、カッコ内は元ネタです。
元の言葉を比較しながら参考に覚えて下さいね^^
強靭な心と体(健康な心と体)
男性保育士の強みとして、一番よくある代表例ですね。
ありきたりですが、重要なことなのでざっくりと説明します。
子どもとダイナミックな遊びをする際のフィジカルの強さ
重いものを持つなどの力強さ
防犯面での抑止力や対応など
この項目はイメージの通り、説明はあまりいらないかもしれませんね。
ですが実践するにあたっては奥が深いのが今項目。
別記事でいくつか深堀りした紹介をしています。
防犯についてまずはコチラの記事をどうぞ↓
利他主義(自立心)
まともな常識があれば
「自分がこうしてやっただろう?ならお返しに〇〇してくれよ」
といった見返りは求めませんよね。
ですが同僚や担任など、職員同士だったらどうでしょう?
「何故いつも自分ばかり」
「あの人ばかりズルい」
と思ったことはないでしょうか。
人に何か良いことをしてあげると、それは自分に返ってきます。
ですが中には意地悪く自分だけが楽をしようと人を頼る存在もいます。
そのような人にはそこそこの付き合いをしたいところですが…保育の現場はチーム!
「GIVE」の精神を忘れずに仕事に取り組んでもらいたいと思います。
私自身も「いつもお世話になってるし」
「あの時○○してもらったから」
などと女性職員に助けてもらったことは数えきれないくらいあります。
「先ずは与えよ」です
革新性(協同性)
男性よりも女性の方が同調しようとする気持ちが強いですよね。
女性社会の中においては、集団の中で波風が立たないように右に倣えのスタンスを取ることも少なくないでしょう。
その分、男性はそのフットワークの軽さとエネルギッシュなカラーを活かし、新しいアイディアや企画出しなど挑戦してみてはいかがでしょうか。既存の行事や遊び活動以外にも、他園や書籍を参考にしてみるのもいいかもしれません。
今までとは違った大型造形遊びや、焚き火などを使うアウトドアな活動、科学実験遊び、新しい行事への取り組み、本物を体験させるような活動等…
「お、なんだか男性職員がまた面白そうなことするみたいだ」と周囲が感じてくれたらしめたもの。
既存に合わせなくてもよい分、マイノリティーであることを活かせるかもしれません。
それらのプレゼンには、「職員の事務仕事による負担を軽減させるために」や「子どもの興味を広げたい」など目的もさることながら、「安全性」や「コスト問題」なども園によっては問題となってくるでしょう。
より良いモノを作ろうとするのは素晴らしい姿勢だと思います。ですが、「全部みんなのためなんだ」と強引な正論だけだと煙たがられることを理解しておくべきです。組織というのは面倒なモノで、一人で根拠があって正しい話をしたところで何故か嫌煙されてしまうことがあります。
相手の意見も受け入れていくうえで、創発的な議論にしていきたいですね
楽観性・キニシナイ意識の芽生え(道徳性・規範意識の芽生え)
世の中には様々な人がいますよね。
一年ごとに職員や保護者も変化し、新しくなることでしょう。
するとやはり、保育に対する批判といった、アンチ、マウントをとってくる人物があらわれます。
それが気になってしまったらずっとネガティブなメンタル状態で、子ども達に関わっていくことになります。
それはとてもツラいですよね。
私は二十代の頃、同業者が集まるお酒の席で年配の男性職員に、仕事で起きた嫌な出来事を相談したことがあります。その時先輩の言葉はこうでした。
「それが全てに当てはまるわけではないけれど、解決する五文字がある。それは”気にすんな”、だ。」
気にしない、というのはそう簡単ではありません。何年たっても人間関係に慣れるのは難しいもの。私は生まれつき胃腸が弱く、ストレスをため込むとしょっちゅう腹痛を起こし周囲に笑われたものです。
ストレスは昼夜問わず体を苦しめ、30歳の誕生日の朝にはベッドで朝起きると、ストレスのためか糞尿を漏らしていたこともあります。
思い返すたびに「気にすんな」はシンプルであり難しい。ですが年数を経ていく内にこの言葉の大切さがわかってきた気がします。
私が大切にしている3つの言葉も合わせて紹介します。
弱い人は復讐する。強い人は許す。賢い人は無視する。
物理学者 アインシュタイン
どんなことでも、思い煩うのはやめなさい。何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。 そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。
聖書 フィリピの信徒への手紙 4
自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば、いったい誰が自分のために生きてくれるであろうか
ユダヤ教の教え アドラー心理学
女性社会との関わり(社会生活との関わり)
男だから仕方ない、あきらめてもいい、と私が思うことは3つあります。
保育するには男も女も関係ないんだ!
という意識を持ちつつ、以下の三点は性別の違いで仕方ないんだ!
と潔く諦めましょう。
男性は職員女子トイレに入りませんよね?それと同じです。
女児のおむつ替えがダメだといわれたら、やらなくて大丈夫
言われる前にそもそもやらない、という園もあるかもしれません。でも職場や保護者がかまわないのであれば気にせず業務として行えるでしょう。疑惑や誤解をもたれてからではトラブルになりかねないので、普段からの行いや信頼関係は大切です。
女児が痛いと訴える箇所がデリケートな部分であったら、女性を頼る
デリケートな部分は一人で確認しない。女性担任や看護師、役職つきにお願いするか、立ち会ってもらう。保護者にはケガなど不調を伝える際には「複数の目で確認したこと」をしっかりと伝えておくべき。
やっぱり女性同士の方が話しやすい
身も蓋もありませんが、いくら頑張ってみても女性同士の方がやはり話しやすいという部分はあります。そこはあきらめましょう。
何かコソコソ話しているのを見かけると「なんだろう」「自分のこと言われているのかな…」など陰口を不安に思う時もあるかもしれません。
「いつも蚊帳の外でどうして話に混ぜてもらえないんだ」
「自分はやはり話しかけづらいんだろうな、共有してくれなくて悔しい」
など考えても仕方ありません。
気になるなら思い切ってその話に加わってみてもいいかもしれませんが、
気にせずクールに去りましょう。
ですがホウレンソウは別です。
クラス担任に必要な子どものことや、連絡事項など自分だけ知らされていなかった場合は、筋道を立て相手や上司に伝えましょう。
女性の職場ということで、男性側の注意点を記事にしてみました。
紳士的思考力の芽生え(思考力の芽生え)
突然ですが、女性のヒステリックを論破しよう等はくれぐれも考えないことです。
日々保育の裏では、職員同士の様々な欠席裁判やネガティブな話、陰口や文句が繰り広げられています。
これが我々男性保育者の飛び込んだ世界です。
私も若いころは、いない相手の悪口ばかり話しているのを聞くのは苦痛でした。
某有名RPGゲームでガンブレードを使うクールな主人公のように「だったら壁にでも話してろよ」と言いたくなったものです。
全員とは言いませんが、女性同士はこれらの行動で親密化を図ったり、日々のうっ憤を晴らそうとしているのかもしれません。もしくはそもそも、そういう人たちは特に理由すらないのかもしれません。
同僚の思いを受け止めることもコミュニケーション。これすらも保育の仕事のうちと考えましょう。
最近では私も少しは大人になったのか、ネガティブな話ばかりする女性も、女性らしくて可愛らしいな、とも思えるようになってきました。
感情的になられたとしても、こちらが声を荒げたり怒鳴られたりしては逆効果。こちらが悪者にされかねません。負けるが勝ちです。
自分が謝るしかなくとも、見ていてくれる人はいます。
異性との関わり・女性尊重(自然との関わり・生命尊重)
同僚であっても、しっかり相手を女性扱いすることを忘れてはいけません。
女性同士が相手を女性として接することと、男性が相手を女性扱いすることは意味合いがまるで違います。
これは相手の顔色伺いばかりして媚びるのではありません。困った時に女性の力になれるのを喜べるようになる、これは重要なポイントです。
某5億部突破した日本の大人気海賊冒険漫画。
海の一流コックさんを思い出してみましょう。
彼は多分紳士です。「女性を愛するために生まれてきた、漢だ」等と発言しています。私は彼が大好きで、素直に素晴らしいと思います。
レディーは勿論年齢ではありません、女性はいつまでもレディーです。ですが子どもと大人の女性の扱いはしっかり線引きしましょう。わからないときは、コックさんが活躍するシーンを読み返しましょう。
職員との話に戻りますが、力になるだけではなく、時には相手に頼ってもいいのです。男性に勘違いされがちですが、頼るというのはプライドを捨てることではありません。負けるわけでも無能をさらけ出すわけでもありません。相手に弱みも見せるのは信頼関係を築くうえでも重要なことです。
高所作業や力仕事を頼まれたなら、力強くスマートにセクシーこう言いましょう。
「大丈夫、レディーたちは下がっていて」
整理・整頓、身だしなみへの関心・感覚(数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚)
これは男女問わず苦手な人は苦手だと思いますが、あえて言います。プロたるもの、男性だからと言い訳をせず、整理整頓、掃除はしっかりするべきです。それらが人に与える印象は大きいのです。
ですが、保育や書類をしながらでは何かと隅々までの掃除というのは後回しになりがち。
清掃の方法論については本記事では省きますが、書物やネット・先人たちの知恵をかりるのがよいでしょう。
環境がキレイになること同様に、先生として身だしなみや姿勢は大切。
もし自分が寝不足や二日酔いだったとしても、笑顔を絶やさず険しい表情をしない。
出勤前の朝には一層気合を入れるのです。
保育の現場では子どもの写真を撮影していて、いつの間にか現場の職員も映り込んでいることもあります。その際に姿勢や表情が変な時ってありますよね…。
「先生」たちは、周囲の子どもや職員・保護者にみられています。
不潔にしていて相手を不快にさせてはいけません。それは相手に申し訳ないというものです。
いつカメラで撮られてもいいように顔を作りましょう
優雅な言葉による伝え合い(言葉による伝え合い)
男性に比べて女性はおしゃべりするのが好き。男性からしたら「内容は簡潔にしてほしい」「要件はメールで」と合理的に考えたいですが、そうもいかないところ。
ただでさえ書類すすめる時間がないのに…という考えも最もだと思います。
私は依然同じクラスの担任として組んでいた職員とお互いうまくコミュニケーションが取れず、体裁のための挨拶以外一切言葉を交わさずに過ごしていたことがあります。表情がこわばりながらも笑顔で子どもには接しますが、職員同士は目も合わせず、近づかず、ただ険悪な雰囲気の日々…。
保育をするうえで居心地の悪さというのは、自分や周りだけでなく子どもにとっても悪いモノ。
コミュニケーションをせずに相手を知ることはできませんし、保育はチームで行うことが基本です。
「先生たち、仲いいんだなぁ」と子どもに思ってもらえた方が心身ともにより健やかに園生活を送れるのではないでしょうか。
まずは挨拶、そこから何気ない会話、少しずつ会話から笑顔が生まれてくれば仕事の連携もとりやすいというもの。
ぎくしゃくした会話よりも、冗談も踏まえて笑いの合った会話の方が楽しい
会話を終えた女性の様子を観察してみてください。楽しく話を終えてスッキリした表情の人は、話す前と比べて生き生きと子どもたちに関わっているはずです。勿論自分だって気持ちが良いことでしょう。
バラエティパックのチョコなどよく女性同士で配り合って食べてますよね、男性もまわりの職員あたりに積極的に配ってみてはいかがでしょうか。差し入れかご機嫌取りかどうかは、本人がおやつ好きかの度合いによるかもしれませんが。
柔らかな接触と表情(豊かな感性と表現)
昨今を騒がせているニュースにもあるように、まず男性は「乱暴そうだし、なんか怖い」の悪いイメージがどうしても先行しています。
仮にですが体の大きい人と体の小さい人、同じ力で子どものお尻を叩いたとします。物理的に考えても客観的にみても、子どもが痛そうなのはどちらか、言うまでもないでしょう。
周りは見ていないようで、しっかりとみています。些細なことでもすぐに広がり、一度悪いイメージがつくと「何かまたやるんじゃないか…?」とまるで腫物扱いされることもあるかもしれません。
女性同士では男性が思っている以上に様々な情報が共有されています
握りこぶしを作らず深呼吸。肩の力を抜いて保育していきましょう。
例えば子どもの手を引いてあげる場面で、手首をつかまず自分の人差し指を握らせてあげたり。
子どもの背中を押さず、前から差し出す手のひらに変えてみてはいかがでしょうか。
おわりに
マイノリティーというのは良くも悪くも目立ちます。
信用は積み上げるのが大変、失うのは一瞬です。
この仕事において、男女の違いによるスタート地点は違う。
何度もハマりやすく、こじらせやすい。大きな落とし穴がこれです。これから保育の道を目指す方は、「気付かずハマらないようにしなきゃ」という意識だけは常に持っていてください。
本記事では男性保育者としての経験なども踏まえて、身近なものから突飛なものまで紹介させていただきました。
孤軍奮闘している男性にはまさに茨の道。これから保育の道を目指す人は、女性たちとうまくやっていけるだろうか不安が少なからずあるでしょう。
悩んでいても、男性の保育者というのは身近に同じ立場の人は少なく、相談相手や、理想となるモデルがいないことも。
結局は潜在保育士(資格はあるけど保育の仕事を辞めてしまう)の一人となってしまうのでしょうか…。
この記事をここまで読んでくださった方は、「子どもが好き」「保育が好き」のその気持ちがあるのだと信じています。ただ単にその職場が自分に合わなかっただけ、ということだってあります。あなたの保育が否定されたわけではありません。
そういう場合は思い切って別の園で働く選択肢もあります↓
様々な園での可能性がある、他園の見学もワクワクしますよね。↑
せっかくなら、親しみやすい、頼りになる、楽しい、大きく明るい存在として活躍したい筈。
女性だけの職場で、人間関係を大事にしながら、保育を自分の一生の仕事して生きていく、大変な覚悟だと思います。
男性職員が保育の世界で活き活き輝くためには?!
保育をしていきながらみんなで一緒に考えていければいいですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
男性職員がよりよい保育を目指すために…迷ったときはコチラの記事もご参考になれば幸いです↓
コメント